東北関東大震災の現地報告

東北関東大震災から3週間がたちました。
「住宅人として現実の姿を見たい!」との思いで、石巻と小名浜へ行ってまいりました。
カメラ片手の物見遊山は、被災者の方に失礼と、浦和の渡辺煎餅店(奥さんが福島県楢葉町出身)の煎餅とお茶を用意していきました。

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<東北関東大震災はツナミ災害です。>
石巻市内は「どこが大地震の跡か?」と思われるほど平静ですが、海に近い地域に入ると街の様子は一変します。

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街の目抜き通りに船があり、本来地震に弱い大谷石積みの蔵はなんでもなく、隣の木造の家が捻じ曲げられ、1m位高台の家は足元に瓦礫が流されていますが家は瓦も落ちていないくらいです。

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<ツナミの恐ろしさ>
古い家は土台ごと流されていました。しかし、基礎に引き抜き金物を設置した最近の建物は流されずに、1階を波が通り過ぎ、すべてのものを持ち去っていました。

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大きな船が陸に押し上げられ、車が家の中にめり込んでいます。

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犠牲は家や船だけでなく、海の中の魚は道路の脇に死に、石の地蔵さんが(これは地震で)地面にひれ伏していました。

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<街の人々>
街には人が居りません。しかし、時々大事なものを探している人を見かけます。
「お茶とお菓子を配っているのですが、受け取っていただけますか?」少しだけ微笑んで「ありがとう」と言ってくれました。

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「地震の後、すぐに船に乗り沖合いに行って、二日間海の上で待っていた」という、漁師が居ました。地震からツナミまでのわずかな時間の決断と勇気!そのプロ意識に敬意を払い、気高ささえ感じました。

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隣近所の方々と一緒に片付けている人々!子供たちの無邪気さに癒されます。
「心と体をお大切に!」のメッセージ入りのお菓子の袋を喜んでくれました。

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大切な家族の写真を拭くお母さん。失った家の前に座っているお父さん。それぞれの方の心の苦しみが伝わってきます。

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<支援活動> 壊れた家を重機で動かしながら、行方不明の人を探す自衛隊や警察、消防の方々。海の漂流物の確認や給水支援をする自衛隊。多くの方が支援活動をしています。 とりわけ、幹線道路や町の中の生活道路の整備は完璧でした。すごいぞ日本!!
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避難所には多くのボランティアの人が活躍し、ダンボール等でわずかなプライバシー確保の工夫もしていました。
しかし、夕闇が迫った街には明かりがなく、真夜中のようです。

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<安全な家・街づくり>
少し高台の鎮守は健在です。昔の人が村の氏神様を大切にしてきた証です。
私たちは「安全で安心な住まいや街を創らなければならない!!」という責務があります。今回、そのことを強く再認識し、同時に被災地の方々の心とお体の健康を祈ります。

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『人も屋もさらって今は春の海』 泉一九

埼玉・木の家・つくり人:小山